「どうして結婚してるのに性風俗?」
ばかげた質問だ。
いつでも気が向いたときに遊べて、若い女をいろいろ選べて、お客様扱いでチヤホヤしてもらえて、気を遣う必要もなく遠慮も要らず思いっきり性欲を発散できる。
妻とはとてもできないようなプレイだってできちゃう。
既婚だって、いやむしろ既婚だからこそ行きたい理由がいろいろある。
俺は、独身時代には性風俗で遊んだことはなかった。ああいうところへ行く勇気がなかったし、自分とは無縁のものだと思っていた。
初めての女とそのまま結婚して、その後もずっと女は妻しか知らなかった。独身時代に突発的にガールフレンドのおっぱいを揉んだことくらいはあったが、セックスしたのは妻だけ。
四十歳も近くなった頃だったろうか。「他の女も知りたい」と思うようになった。
「このまま一人の女しか知らずに男を終わっていいのか。」
考えはじめると止まらなくなった。どんどん思いが募る。
性風俗へ行くか、迷いに迷った。相変わらずそういう店に行く勇気がなかった。思い詰めた末にとうとう決行した。この頃はまだ妻とのセックスもあり、その点の不満は無かった。そう。初めて性風俗へ行ったのは、セックスレスが理由ではなかったのだ。
行くと決めたものの、やはりああいう店に入る勇気がなく、考えた末に出張のときにビジネスホテルへデリヘルを呼ぶことにした。それでも、電話するだけでも緊張した。電話すると若い男性の店員さん。女の子のタイプをリクエストできるというので、「若くておっぱいの大きい子」とリクエストした。まあ要するに妻には無いものを求めた。
果たしてリクエスト通りの若くておっぱいの大きい子がやってきた。ただし容姿はあまりよろしくない。(風俗嬢のプロフィールで「巨乳」というのは「デブ」のことだと知ったのは、ずっと後のこと。)
当たり前だが、いとも簡単に目の前で全裸になってくれる。一緒にシャワー。女が股間を丁寧に洗ってくれた。そのときは知らなかったが、これはプレイにフェラチオが含まれることを示唆する。
ベッドでプレイ開始。おっぱいを揉む。吸う。ああいいな、でかいおっぱい。女の下半身も触る。やがてフェラチオ。やはりプロだ。妻のフェラチオよりはるかに上手い。デリヘルなので本番は無い。どうやらこれがフィニッシュということらしかった。「出るよ」。女が小さくうなずいたので、そのまま口の中で射精した。妻とはしたことがなかった口内射精だった。
初めての性風俗。終わってみれば実にあっけなくて、何をあんなに躊躇していたのかと拍子抜けするくらいだった。