妻とセックスの頻度が減っていったのは、やっぱり子供が産まれてからかな。あっても何ヶ月か空いて1回とか。
セックスを求めても、妻はいろんな理由をつけて拒むようになっていった。
「疲れてる」「忙しい」「具合悪い」
求めれば露骨に嫌そうな顔をするようになっていった。
こっちだって、「そんなに嫌ならいいよ」という気持ちになる。
しかし、もちろん性欲がおさまるわけでもない。
疲れてるから駄目なら、後日疲れがとれたらいいのか。
忙しくて駄目なら、後日暇が出来たときはいいのか。
具合悪くて駄目なら、後日元気になったときはいいのか。
答えはすべて否である。
いや、最初は私も「疲れてる」「忙しい」を真に受けた。
疲れてるなら・忙しいなら軽減してやろうとした。私が子供の面倒を見て、自由な時間も持たせてやった。
しかし、何かを解決すればまた次の「できない理由」が出てくるだけだった。いくらでも際限なく、だ。
「疲れてる」「忙しい」と言いながら、次々と用事を引き受けてくるし、いろんな予定を入れる。
なんか「忙しい」という状況を保ってセックスをしないで済むようにやらなくてもいい仕事を背負い込んでるんじゃないかとさえ思った。
一体いつになったら正常化するのか。正常化しようという気はあるのか。
そもそもセックスがないのを「異常だ」という認識はあるのか。
全然危機感がないように思えた。この夫婦関係崩壊状態を放っておいて、そんなどうでもいいほとんど金にならない仕事を引き受けてる場合なのか。夏休みの旅行とか言ってる場合なのか。
そういう状況で、「元気?」って言われても、何て答えればいいんだい。元気な芝居しなきゃいけないのかい。
こっちはセックスのことで思い詰めて頭が一杯なんだ。
嫌なのは嫌だからであって他に理由はない。ただ、嫌とはっきり言うと角が立つから「疲れてる」とか言うだけなのだ。
それがわかるまでずいぶんかかった。